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- 再生医療②(APS療法)
再生医療とは
再生医療は、患者自身の血液や脂肪由来幹細胞を用いて損傷した組織や機能を修復・再生する治療法です。具体的には、患者から採取した細胞を培養し、患部に注入することで自然治癒力を活性化させ、修復を促進します。
例えば、すり傷が自然に治癒する力を利用し、人為的に同様の修復プロセスを引き起こすことを目指します。
変形性膝関節症の治療では、膝関節に注射するだけで済むため、大きな麻酔や入院は不要です。
再生医療には厳しい安全基準が設けられており、「再生医療等の安全性の確保等に関する法律(再生医療法)」に基づいて、厚生労働省から認可を受けた医療施設でのみ実施されます。
APS療法とは
APS(Autologous Protein Solution)療法とは、変形性膝関節症に対する最新の再生医療です。PRP療法と同様、患者さま自身の血液を活用します。
腕から採血をし、採取した血液を専用の遠心分離機にかけてPRP組織を抽出します。抽出したPRP組織を、専用のAPSキットを用いてさらに遠心分離します。それを膝に注射します。
APSは自己たんぱく質溶液ともいい、炎症を抑えるたんぱく質と軟骨を守る成長因子を高濃度に抽出したものです。
APSは、非常に抗炎症作用が強く、高い組織修復力を有し、PRPよりもさらに関節の炎症や痛みの軽減や軟骨の破壊を抑制する効果が期待できます。
1回の投与で約3年間、疼痛改善の効果が持続したケースの報告もあり、“次世代PRP”とも呼ばれます。
APS療法の特徴・効果
APS療法の特徴
- 自分の血液を活用する
- 自己治癒力を引き出す治療方法
- 手術ではなく注射でおこなう治療方法
- PRP療法以上の、炎症や痛みの大幅な軽減が期待できる
- 次世代PRPと呼ばれる
- 1回の投与で1年以上の効果が期待できる
APS療法で期待できる効果
- 痛み止めが効かない場合の痛みが軽減する
- ヒアルロン酸注射で軽減しない症状が改善する
- 膝の可動域が広がる
- 日常生活の動作がラクになる
- 運動機能が回復する
※すべての方に効果を保証できるわけではありません。
APS療法のメリット・デメリット
メリット
- 痛み止めやがヒアルロン酸注射で軽減しない痛みに効果がある
- 慢性的な膝の痛みにも効果がある
- 自己血液を利用するため、アレルギー反応や感染症のリスクが低い
- これまで、重い副作用が認められていない
- 採血と注射で完了するため、日帰りで治療できる
- 年齢の上限制限がない
- 治療痕が残りにくい
- 1回の投与で長期的な効果が期待できる
- 早い場合は、1週間で効果が表れる
- 何度でも治療ができる
デメリット
- 自由診療であるため、保険適用外(10割負担)
- 患者さまによって、効果の出方にばらつきがある
- 治療後に痛み、腫れ、熱感、内出血など生じる恐れがある
- 投与部に感染を有する方は受けられない
- そのほか、体の状態によって、受けられないこともある
- 膝の変形は矯正できない
- 必ず治療効果が出るわけではないため適応の見極めが重要