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- 変形性膝関節症について
変形性膝関節症とは
膝を曲げて違和感や痛みを感じる場合、変形性膝関節症かもしれません。
変形性膝関節症は、関節のクッションとなっている軟骨がすり減って、違和感や痛みを生じさせる病気です。症状が進むと、腫れたり、骨が変形したり、水がたまったりします。
軟骨は、すり減ってしまうと、自然に治ることがありません。早期に気づいて治療を始めたいところですが、軟骨には神経がないため、初期段階では痛みを感じないのが特徴です。そのため、知らない間に進行してしまいやすいのです。
痛みの原因は、軟骨のすり減り自体ではなく、すり減っていく軟骨が、かけらとなって、関節内の組織を傷つけてしまうことです。病状を進行させないためには、かけらが増えてしまわないよう、炎症が悪化しないよう、進行を止めることが大切です。
また、軟骨が自然治癒することは、基本的にはありません。軟骨組織には血管がなく、傷を治すために必要な細胞や栄養を、血液によって届けることができないからです。
このような特徴から、再生医療をおこなうことによって、軟骨など関節組織の修復を目指すケースが増えています。
変形性膝関節症かもしれないと思ったら、放っておかずに、なるべく早く治療を始めましょう。
変形性膝関節症の予防
変形性膝関節症は、男女比1:4と女性に多く、高齢者になるほど罹患率が高い疾患です。また、肥満や遺伝子が原因となっているケースもあります。
膝の軟骨は、どんな方であっても、時間とともに少しずつすり減っていくものです。年齢とともに関節軟骨は弾力性を失っていくため、加齢によって変形性膝関節症の症状が進行するのは、珍しいことではありません。
そこで、膝に違和感が出てきた時点で、痛みはなくてもなるべく軟骨がすり減らないよう、膝への負担を軽減することが大切です。
たとえば、次のような予防策があります。
- 重いものを持たない
- 直接、床に座らない
- 階段の上り下りを減らす
- 寝具を布団からベッドに変える
- 和式のトイレを使わない
- バランスのよい食事
- ストレッチ
- 正しい歩き方で適度なウォーキング
- お尻や太ももや筋力強化
変形性膝関節症の進行
変形性膝関節症は、放っておくと、時間とともにだんだん症状が重くなっていきます。病状の進み方について、ご説明します。
初期症状:膝に違和感が出る
かなり初期の症状としては、朝起きたときに体を動かすと、膝に違和感がでるというものがあります。しかし、しばらく体を動かすと自然に違和感が治まるため、あまり気にせず放置してしまう方が多いようです。
次のような症状は、変形性膝関節症の初期である可能性が高いでしょう。
- 起き上がるときに膝に違和感がある
- 歩きはじめるときに膝がこわばる
- 膝が重くて動かしにくい
- なんとなく鈍い痛みを感じる
- 正座をすると痛む
- 階段を上り下りしているときに痛む
- 方向転換したときに痛む
中期症状:膝の痛み、腫れ、熱感、変形が出る
しばらく休むと治まっていた膝の痛みが、消えづらくなってきたら中期症状といえます。次のような症状は、変形性膝関節症の中期である可能性が高いでしょう。
- 歩くときしむような音がする
- しゃがみこんだあと痛みが続く
- 階段の上り下りのあと痛みが続く
- 膝が腫れている
- 膝に熱感がある
- 膝が変形してきた
- O脚やX脚になってきた
末期症状:膝の痛みなどによって、日常生活に支障が出る
病状が進行して膝の軟骨がほとんどなくなると、骨同士が直接ぶつかり、痛みが激しくなります。そのため、末期症状では痛みがひどくなるのが特徴です。
関節の変形がさらに進めば、膝関節の靭帯のバランスが悪くなり、筋力も低下するため、歩行障害を引き起こします。次のような症状は、変形性膝関節症の末期といえるでしょう。
- 初期や中期の症状をより強く感じる
- 膝がまっすぐに伸びない
- 普通に歩くこともつらい
- 座るだけで膝が痛み、痛みが続く
- 膝の痛みでしゃがむのが困難
- 膝がぐらぐらして長く立っていられない